今週のジュニアサッカー:史上初のU-15W杯が開幕、リトルなでしこは全勝で16強へ/育成ワンポイント:U-12選手権の「ステートメント」
筆者:オペラシンフォニー(元・大手証券トップセールス/CFP)
FIFAが新設したU-15ワールドカップがバクーで開幕し、8人制・敗退なしの新しい形式で日本も2試合負けなし。U-17女子W杯のリトルなでしこは3戦全勝で決勝トーナメントへ。台風と強い寒気が続く今週の体調・落雷対策もまとめました。
10月19日〜26日の動きをまとめました。今週の主役は中学生年代です。FIFAが新しく作ったU-15のワールドカップが始まり、日本の中学3年生前後の選手たちが世界の同世代と戦っています。
今週のニュース
史上初の「U-15ワールドカップ」が開幕 8人制・敗退なしの新しい大会(10月24日〜)
FIFA(国際サッカー連盟)が新設した「FIFA U-15ワールドカップ&フェスティバル」が、10月24日にアゼルバイジャンの首都バクーで始まりました。決勝は10月30日です。対象は2011〜2012年生まれの選手で、約190の国と地域が参加し、全部で約950試合が行われる大きな大会です。
この大会は、ふつうのワールドカップとはつくりが大きく違います。
- 8人制で、前後半20分ずつ(40分)。ピッチは68m×47mで、ゴールは大人と同じ大きさ
- スローインの代わりにキックイン(足でボールを入れる)。オフサイドはゴールラインから14mの線より先だけで取る
- 交代は何回でも自由。1チームは14人
- グループステージで負けても大会から消えない。成績に応じて6つの階層(ティアA〜F)に分かれ、それぞれで優勝を争う。どのチームも最低9試合を戦える
- 全選手が同じ選手村に泊まり、生活に役立つ力を学ぶプログラムなども用意されている
FIFAで世界のサッカー育成を担当するアーセン・ヴェンゲル氏は、この年代にいちばん大切なのは「試合をすること」で、意味のある試合と、いろいろなタイプの相手が必要だと話しています。また、才能は世界中にあるのに、子どもたちが得られるチャンスは同じではない、とも述べています。理念は「Give every talent a chance(すべての才能にチャンスを)」です。
日本代表(三浦佑介監督、14人)はグループJで、中国、アンゴラ、サウジアラビア、中央アフリカ共和国、ソロモン諸島と同じ組です。
- 10月24日 ソロモン諸島に3-0で勝利(中塩桔平選手、十文字大河選手、堀川史人選手が後半に得点)
- 10月25日 中国と引き分け(鶴岡蓮選手が先制。中国側の報道によると1-1)
グループの残りの試合のあと、10月28日から階層別のトーナメントが始まります。なお、別のU-15日本代表(城和憲監督、22人)は、10月27日からフランスで開かれる「ヴァル・ド・マルヌ国際トーナメント」で、フランス、イングランド、イタリアの同世代代表と対戦します。
ここから読み取れること(編集部の見方):世界の育成の最前線では、中学生年代でも「人数を減らしてボールに触る回数を増やす」「負けても試合が続き、たくさんの試合経験を積める」形が取り入れられています。勝ち上がりだけを目標にする大会とは違う考え方として、知っておく価値があります。
- Unique FIFA U-15 World Cup & Festival 2026 format designed to deliver maximum benefit(FIFA)
- 史上初のU-15W杯が開幕、約190か国が参加 8人制・40分制の異例ルールで世界一を争う、日本代表も出場(フットボールチャンネル)
- 【U-15W杯】U-15日本代表、初戦は3発快勝もグループ3位スタート 次戦は首位争いの日中対決(フットボールチャンネル)
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リトルなでしこ、3戦全勝・無失点でベスト16へ 次はケニア(U-17女子W杯)
モロッコで開催中のU-17女子ワールドカップで、リトルなでしこ(U-17日本女子代表)がグループDを3戦全勝で首位通過しました。3試合で9得点、失点はゼロです。
- 第1戦 ザンビアに5-0
- 第2戦 フランスに2-0(花城恵唯選手が途中出場で2得点)
- 第3戦(10月24日) ベネズエラに2-0(花城選手、岸田優花選手)
決勝トーナメント1回戦(ベスト16)は現地時間10月29日で、相手はケニアに決まりました。グループを全勝で通過したのは日本、ドイツ、中国、スペインの4か国です。中国は、2試合で23得点していたアメリカを3-2で破って首位になりました。日本は12年ぶりの世界一を目指しています。
- 【U-17女子W杯】リトルなでしこ、3連勝でGL首位突破を決める!(フットボールチャンネル)
- U-17女子W杯のベスト16が出揃う リトルなでしこはケニアと決勝T初戦、中国が米国撃破で3連勝(フットボールチャンネル)
中学年代の日本一決定戦へ、地域代表が続々決まる(高円宮杯U-15)
12月12日に開幕する「高円宮杯 JFA 第38回全日本U-15サッカー選手権大会」(32チーム、決勝は12月27日・味の素フィールド西が丘)に向けて、各地域の代表が決まりつつあります。10月25日時点でリーグ戦の上位として出場を決めたのは、次のチームです。
- 東北:JFAアカデミー福島
- 関東:川崎フロンターレU-15生田、柏レイソルU-15、横浜F・マリノスJY、鹿島アントラーズJY
- 北信越:松本山雅FC、カターレ富山
- 東海:静岡学園中
- 関西:京都サンガ、ヴィッセル神戸
- 中国:サンフレッチェ広島
- 四国:徳島ヴォルティス
- 九州:ソレッソ熊本、サガン鳥栖
残りの枠は、これから各地域の代表決定戦で決まります。クラブチームだけでなく、静岡学園中のような中学校の部活動のチームも同じ大会で日本一を争うのが、この大会の特徴です。
小学生の日本一決定戦も都道府県大会が本格化(全日本U-12選手権)
小学生年代の「JFA 第50回全日本U-12サッカー選手権大会」は、10月から全国各地で都道府県大会が行われています。全国で約7,900チームが参加し、東京都中央大会は11月1日開幕(組み合わせ抽選は10月27日)、福井県大会は10月31日まで、などと日程が進んでいます。全国大会は12月26日〜29日に鹿児島で、都道府県代表47チームと前回優勝の佐賀県代表の計48チームで行われます。
- JFA 第50回全日本U-12サッカー選手権大会~10月から全国各地で都道府県大会がスタート(JFA)
- 2026年度 JFA第50回全日本U-12サッカー選手権 東京都中央大会 11/1~15開催!(ジュニアサッカーNEWS)
欧州の育成ニュース:スペイン連盟が「子どもを守る仕組み」を強化
スペインサッカー連盟(RFEF)の子ども保護部門が、10月20日、各地域の担当者を集めた研修を行いました。目的は、サッカーの場で子どもを守るためのネットワーク「#YoTeProtejo(私があなたを守る)」を強くすることです。
研修では、今シーズンの計画、新しく加わった担当者、スペインのスポーツ評議会(国のスポーツ行政機関)が定めた基準などを確認し、国際的な研究プロジェクトへの参加についても話し合いました。今後は全国のクラブに守る方針を広げていく予定で、特に子どもとスポーツの心理の専門家に協力してもらうことを重視しています。
ここから読み取れること(編集部の見方):欧州では、勝つための育成と同じくらい「子どもが安心してプレーできる環境づくり」に力を入れています。日本でも、お子さんのチームに相談できる窓口や担当者がいるかを、一度確かめておくと安心です。
季節と健康のワンポイント
台風のあとは急な寒さ 「朝晩の気温」で服を選ぶ
今週は天気と気温の変化が大きい1週間です。台風30号から変わる低気圧の影響で、27日(火)までは九州から関東で雷雨や非常に激しい雨の所があります。27日は名古屋や大阪で25℃以上の夏日の予想ですが、28日(水)からはこの時期としては強い寒気が流れ込み、東京や近畿では「木枯らし1号」が吹く可能性があります。11月1日(日)には、東京から福岡にかけて最高気温が20℃を下回る見込みです。
週末の試合や練習に向けて、次の準備をしておくと安心です。
- 昼間の気温だけでなく、朝晩の気温も見て服を選ぶ
- 冷たい風を通しにくい上着(ウインドブレーカーなど)を1枚持たせる
- 待ち時間やハーフタイムに体を冷やさないよう、着替えやタオルを多めに
秋でも雷に注意 「黒い雲が近づいたら中断」をためらわない
雷は夏だけのものではありません。今週のように低気圧や寒気が通る時期は、天気が急に変わることがあります。2024年4月には、練習試合中の高校サッカー部員が落雷に遭い、18人が病院に運ばれる事故がありました。文部科学省は、活動前に気象情報を確かめること、天気が急に変わったときは「ためらうことなく」計画の変更や中止をすること、厚い黒い雲が頭の上に広がったら雷雲が近いと考えることを呼びかけています。気象庁の「雷注意報」や「雷ナウキャスト」で、雷が起きやすい地域を確かめることもできます。
育成のワンポイント:「試合終了の笛が鳴っても、子どもたちの成長は終わらない。」
全日本U-12選手権は、1977年の第1回から数えて今年で第50回です。JFAはこれを記念して「U-12選手権ステートメント」をつくりました。キーメッセージは「試合終了の笛が鳴っても、子どもたちの成長は終わらない。」です。
ステートメントには、4つの柱があります。
- 安全な環境を守ること
- 子どもの成長をいちばんに考えること
- 地域と一緒に取り組むこと
- 勝つことだけでなく、学ぶことを大切にすること
都道府県大会が続くこの時期は、勝ち負けに気持ちが向きやすくなります。家庭で活かすなら(編集部の提案):試合のあとは結果より先に「今日できたこと」「次にやってみたいこと」をお子さんに聞いてみてください。負けた試合も、次の成長の材料になります。
※本記事は「のびしろピッチ」編集部が、公開されている情報をもとにまとめたものです。スコアや結果は出典で確認できたもののみ掲載しています。