今週のジュニアサッカー:U-15W杯が閉幕、リトルなでしこ8強/育成ワンポイント:バスケの「マンツーマン」に学ぶ
筆者:オペラシンフォニー(元・大手証券トップセールス/CFP)
FIFA初のU-15ワールドカップ&フェスティバルが閉幕し、日本は7日間10試合を戦い抜きました。U-17女子W杯のリトルなでしこは逆転勝ちでベスト8へ。欧州の視点は「この年代は試合経験の量」。寒い時期の"かくれ脱水"と、バスケのマンツーマン推進から学べることも紹介します。
今週のニュース
FIFA U-15ワールドカップ&フェスティバルが閉幕、日本は10試合を戦い抜く(10月24日〜30日・アゼルバイジャン)
189の国と地域が参加したFIFA初のU-15大会が、10月30日に閉幕しました。日本のU-15代表(14人)はグループリーグを3勝1分け1敗で終え、その後は順位別のトーナメント(ティアC)に回りました。最終戦は黒星でしたが、7日間で10試合という連戦を最後まで戦い抜いています。
- グループリーグ:初戦ソロモン諸島に3-0、中国と引き分け、中央アフリカに勝利、全勝中のアンゴラには終了間際の逆転負け、最後はサウジアラビアに勝利
- 最上位の「ディビジョンA」決勝は、スペインがチェコに3-0で勝って初代王者に(10月30日)
- この大会は8人制・20分ハーフで、負けても大会から外れず、全チームが多くの試合をこなす仕組みです
親として知っておきたいのは、「負けたら終わり」ではなく、レベルの近い相手と何度も試合をする形が世界大会でも採用され始めたことです。ティアCでの各試合のスコアは確認できなかったため載せていません。
出典:日本はFIFA新大会U-15W杯&フェスティバルを黒星終幕…7日間10連戦を戦い抜く(ゲキサカ/Yahoo!ニュース)、U-15日本代表はサウジを破って3勝1分け1敗でGL終了…「ティアC」トーナメントへ(ゲキサカ/Yahoo!ニュース)、日本は土壇場逆転負けで…全勝中のアンゴラに黒星(ゲキサカ)、Spain claim FIFA U-15 World Cup title in Baku(AZERTAG)、Closing ceremony of FIFA U-15 World Championship held in Baku(APA)
U-17女子W杯:リトルなでしこ、先制されても3点で逆転しベスト8(10月29日)
U-17日本女子代表(リトルなでしこ)は決勝トーナメント1回戦でケニアと対戦。前半29分に今大会初めての失点を喫しましたが、36分・59分・75分に得点して3-1で逆転勝ちしました。準々決勝ではガーナと対戦します(現地11月1日)。
先に点を取られても慌てずに自分たちのサッカーを続けて逆転した試合は、子どもと一緒に「失点のあと何をしたか」を話すよい材料になります。
出典:リトルなでしこ、3発逆転でベスト8(フットボールチャンネル)
高校選手権の都道府県予選が大詰め、代表校が続々決定
年末年始に行われる第105回全国高校サッカー選手権の予選が各地で進み、11月1日時点のまとめでは青森山田(青森)、聖和学園(宮城)、明桜(秋田)、羽黒(山形)、尚志(福島)、丸岡(福井)、米子北(鳥取)、岡山学芸館(岡山)の8校が代表として掲載されています。羽黒・丸岡は4大会ぶり、明桜は3大会ぶりの出場です。決勝のスコアは、確認できた出典に載っていないため省いています。11月にかけて残りの代表が決まっていきます。
出典:第105回全国高校サッカー選手権大会2026|日程・県予選結果・出場校まとめ(U-18サッカー)、高校サッカー選手権2026出場校一覧(フットボールチャンネル)
欧州の育成ニュース:「この年代でいちばん大事なのは試合をすること」
U-15W杯にはイングランドなど欧州の国々も参加しました。イングランド協会の10月30日の記事によると、イングランドはグループリーグ5試合と順位別トーナメント5試合の計10試合を戦い、7勝しています。
この大会を企画したFIFAのアーセン・ヴェンゲル氏(フランス出身、元アーセナル監督)は、狙いをこう話しています。
- 「この年代で最も重要なのは、試合をすることです」
- 「才能はどこにでもある。けれど、若い選手に与えられる機会は同じではない」
そのために、全チームが最低9試合をこなす日程にし、8人制・交代自由・スローインの代わりに足で再開するルールで、1人あたりのボールタッチを増やしています。
日本の保護者にとってのヒント:試合に出る時間が短い子にとっては、強いチームで公式戦のベンチにいるより、レベルの合う場所でたくさん試合に出るほうが伸びる場合があります。チーム選びや、練習試合・交流戦への参加を考えるときの一つの物差しにしてみてください(これは筆者の提案で、記事が直接そう述べているわけではありません)。
出典:England win seven from ten at FIFA U15 World Cup(England Football)、Coupe du Monde U-15 et Festival : Arsène Wenger(FIFA)
季節と健康のワンポイント:寒くなっても水分補給を忘れずに("かくれ脱水")
11月に入ると汗をかいている感覚が減り、のどの渇きも感じにくくなります。けれど空気は乾燥し、暖房でさらに乾くため、気づかないうちに体の水分が減る「かくれ脱水」が起こりやすくなります。体の水分が2%ほど足りなくなるだけでも、のどの渇きを感じないまま体に影響が出ることがあるとされています。
- 練習の前後と途中に、少しずつ飲む習慣は冬も続ける(一度にたくさん飲まない)
- 冷たい飲み物が進まない子には、常温の水やぬるめの白湯を水筒に
- 朝起きたとき、運動のあと、お風呂のあとは飲むタイミングの目安
- のどや鼻の粘膜がうるおっていることは、かぜやインフルエンザの季節にも大切です
出典:冬も脱水に注意?「かくれ脱水」にならない水分補給のコツ(ウェザーニュース)
育成のワンポイント:バスケットボールの「マンツーマン推進」に学ぶ
日本バスケットボール協会(JBA)は、U12・U15の試合でゾーンディフェンス(決まった場所を守る守り方)を認めず、マンツーマン(1人が1人をマークする守り方)で守るルールを続けています。違反が続くと、相手にフリースローが与えられるほど徹底しています。
ねらいは「子どもたちの将来を見据える」こと。勝つために守り方を固めるより、1対1で守る力・攻める力を一人ひとりに身につけさせることを優先しています。また、ルールの運用は取り締まりが目的ではなく、指導者・保護者が一体となって子どものプレーを寛容に見守ることを求めています。
サッカーに置きかえると:小学生年代で「引いて守ってカウンター」だけで勝つより、1対1で奪いにいく・ボールを持って仕掛ける経験を積ませたほうが、中学・高校で伸びる土台になります。試合の結果だけでなく、「自分から奪いにいけたか」「仕掛けられたか」を声かけのポイントにしてみてください。
出典:マンツーマンディフェンス基準規則(日本バスケットボール協会)
※本記事は「のびしろピッチ」編集部が、公開されている情報をもとにまとめたものです。スコアや結果は出典で確認できたもののみ掲載しています。