投資ニュース2026-10-19

今週の投資:AI関連株に急ブレーキ、米物価は上振れ、中国発の半導体ショック

筆者:オペラシンフォニー(元・大手証券トップセールス/CFP)

中国メモリー大手CXMTの新技術発表と、AIクラウド大手コアウィーブの借金への不安から、日米のAI・半導体株が大きく揺れた1週間。米国の9月の消費者物価は前年比3.7%に上昇し、利上げ観測が強まりました。国内IPOは2社が上場しています。

10月12日〜18日の1週間は、「AIへの投資は借金で支えられていて大丈夫なのか」という不安と、米国の物価の上振れが重なり、AI・半導体関連の株が世界的に大きく動きました。一方で欧州株は比較的しっかりしていました。

新技術・特許

中国CXMTの新しいメモリー技術で、韓国の半導体株が急落(アジア)

大手テック企業の特許出願:メガネ型端末・ヘッドセット関連が目立つ(米国・日本・韓国)

  • 10月16日付で、米国で今週公開された大手テック企業の特許出願をまとめた記事が出ました。取り上げられた14件のうち、目立つのは身につける端末と、映像を作るAIの技術です。
  • グーグル:指さした物を見分けて、その物に情報を重ねて見せるARメガネ(ARは、現実の景色に画像を重ねて見せる技術)
  • メタ:鼻あての部分のレーザーで肌の振動を読み取り、声を拾うスマートグラス
  • アップル:ヘッドセットで、別の部屋のカメラ映像を「壁にあけた窓」のように見せる仕組み
  • ソニー:顔がはっきり写らないようにぼかして撮りつつ、表情やメガネの有無などは判断できるカメラ
  • サムスン:AIで加工した写真を、元の写真を消した後でも元に戻せるようにする仕組み
  • 特許の「出願」は、技術を守るための申請で、製品化が決まったという意味ではありません。
  • 出典:Big Tech's Fourteen Most Interesting New Patents This Week (10/16/2026)(Patentlyze)

上場まわり(IPO・上場廃止)

日本:今週の新規上場は2社

日本:東武住販、カチタスのTOBで上場廃止の見通し

  • 10月13日、中古住宅の再生販売を手がけるカチタスが、東武住販へのTOB(株式公開買い付け)を発表しました。買付価格は1株2,000円で、期間は10月14日から12月3日までです。
  • 買い付けが成立すると、東武住販は東証スタンダード市場と福証Q-Boardから上場廃止となる見通しです。
  • 出典:東武住販、カチタスTOBで上場廃止へ 創業者が承継で売却(M&A Times)

米国:バイオ企業2社が上場、初日は上昇

  • 10月12日の週は、RNA(遺伝情報を運ぶ物質)の働きを利用した薬を開発するCity Therapeuticsが約2億ドル、AIでがんの薬を設計するIambic Therapeuticsが約1億5,000万ドルを調達して上場しました。初日の値上がり率はそれぞれ24%、18%でした。
  • このほか、3Dプリンター用の金属粉末をつくるAmaero(オーストラリアの企業)も約2,000万ドルを調達して上場しました。
  • 出典:US IPO Weekly Recap: Biotechs City Therapeutics and Iambic headline the week's pricings(Renaissance Capital)

世界の経済

米国:9月の消費者物価が上振れ、AI関連株が大きく下落

  • 10月14日に発表された9月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.6%、前年同月比3.7%の上昇でした。値動きの大きい食品とエネルギーを除いた指数も前月比0.3%、前年比2.6%の上昇です。ガソリンなどエネルギー価格の上昇が大きく影響しました。
  • 物価の上振れで、米国の中央銀行(FRB)がさらに利上げするとの見方が強まり、10年物国債の利回りは一時5.3%台に上がりました。
  • 同じ14日、AI向けクラウド大手コアウィーブ(CoreWeave)の社債の利回りが約15%まで上がり(借金の返済への不安が強まったことを示します)、株価は15.5%下落しました。社債は翌15日にいったん買い戻されています。
  • 週間では、ナスダック総合指数が約4.5%、S&P500が約2%下落した一方、ダウ平均は約0.7%上昇しました。
  • FRBのウォーシュ議長は16日、バンコクでのIMFの会合で、10月末・12月の会合での金利の判断について手がかりを示しませんでした。
  • 16日にはWTI原油先物が1バレル101.35ドルまで上昇しました。中東の情勢への警戒が背景です。
  • 出典:The Consumer Price Index (CPI) rose 0.6% in September(First Trust)、US consumer price index September(Virginia Business / Reuters)、Markets News, Oct. 16, 2026(Yahoo Finance)、CoreWeave bonds rebound sharply after recent selloff(roic.ai)

日本:日経平均が急落のあと反発、日銀委員から利上げに前向きな発言

  • 10月15日、コアウィーブをめぐる不安からAI・半導体株が売られ、日経平均株価は前日より3,318円安と急落しました。
  • 16日は、コアウィーブに出資するエヌビディアのトップが同社の状況改善を示したことで買い戻しが入り、898円高の65,324円で終えました。ただし15日の下げ幅は取り戻していません。
  • 15日、日銀の小枝審議委員は、国内の金融環境はまだ緩和的で、物価が上振れるリスクを考えると利上げに慎重になりすぎる必要はないとの考えを示しました。
  • 出典:来週の日経平均見通し(外為どっとコム マネ育チャンネル)

欧州:株価は底堅く、8月以来の大きな週間上昇へ

中国:9月の輸出が大きく伸び、企業間の物価も上昇

政治の動き

米国:ロシアへの制裁・関税を見送る大統領令

  • 10月16日、トランプ大統領は、ロシア産の石油・ガスなどに最大500%の関税をかけることなどを求める法律(グラハム法)にもとづく制裁と関税を見送る大統領令に署名しました。これらは18日から始まる予定でした。
  • ロシア関連の制裁の見送りは2週続けてで、軽油(ディーゼル)価格の上昇を抑える狙いがあると報じられています。エネルギー価格や、ロシアとの取引がある国・企業に関わる動きです。
  • 出典:Trump signs order waiving Graham Act sanctions on Russia(ABC News)

※本記事は公開情報・各種出典に基づき事実を整理したものです。相場や制度は変動するため、最新情報もあわせてご確認ください。特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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