「今」で、決めつけないでいたい
執筆:オペラシンフォニー
あの子は上手い、うちの子は足が遅いから――。つい、今の姿で決めつけちゃいますよね。でも子どもって、びっくりするくらい変わる。「今」で線を引かないでいたい、という話です。
子どものサッカーを見ていると、つい、その場で判断しちゃいますよね。
「あの子、上手いね」「あの子は足が速いから」。そして、心のどこかで、「うちの子は、ちょっと地味だな」なんて、比べてしまったり。
分かるんです。私も、たぶん、やっちゃいます。パッと見の印象で、なんとなく順位をつけてしまう。
でも、あとで、いつも思い直すんです。子どもって、びっくりするくらい、変わるよな、と。
私が書いている『背番号と請求書』に、こんな子を書きました。小学生の頃は、ぽっちゃりしていて、足も遅くて。記録には「将来性、今のところ未知数」なんて書かれてしまうような子です。
ところが、数年後。その子は、別人みたいになっている。体の使い方に無駄がなくて、競り合っても倒れない。派手さはないけど、誰よりも早く、次に起きることを読んでいる。
書きながら、こういう伸び方を、私はいちばん描きたかったんだと思います。
だって、こういう子、現実にもいますよね。あのとき目立たなかった子が、いつのまにか、すごくいい選手になっている。逆に、早くから上手かった子が、そのままとは限らない。
今の身長も、今の足の速さも、今の「上手い・下手」も。その子の「これから」を、決めてしまうものじゃないんですよね。
もうひとつ、この物語で書きたかったこと。
大きな点差で勝った試合でも、点差だけでは測れないものがある、ということです。勝った、負けた、何点取った——その数字だけを見ていると、本当に大事な部分を、見落としてしまう。数字に出ないところで、じわじわ伸びている子が、ちゃんといるんです。
だから、わが子のことも、よその子のことも。「今」で、線を引かないでいたいなと思います。
この子はここまで、とか。あの子には勝てない、とか。そういう線を、親が勝手に引いてしまうのは、なんだか、もったいない気がして。
うまくいってない時期の子ほど、「今はまだ、途中なんだ」って、のんびり構えていたい。
伸びる時期も、伸び方も、その子それぞれ。ゆっくりでいいので、その子のペースで、育っていってくれたらいいなと思っています。
伸びる時期は、人によってずれます。成長の時計で、早生まれの差と、伸び盛りの時期の目安を見られます。長い目で見る話は、子どものサッカーは、長期投資に似ているにまとめました。