「大丈夫」って言うけど、本当かな
執筆:オペラシンフォニー
測定の数字、順位、まわりの子との差。つい、ドキッとしますよね。そして子どもは、なかなか「きつい」と言ってくれない。だからこそ、親がそっと気づいてあげたい、という話です。
サッカーをやっていると、身長や体重、走るタイムを測る日ってありますよね。
その数字が出ると、親のほうも、ちょっとドキッとしません? あの子より小さいな、とか。あの子、もう足が速いんだ、とか。つい、まわりの子と比べてしまう。
分かるんです。私も、たぶん、同じことをしてしまうと思います。
でも、あとで冷静になると、思うんですよね。その数字って、「今の」数字なんだよな、と。
生まれた月が早い子と遅い子。体が先に大きくなる子と、あとからぐっと伸びる子。同じ学年でも、中身はバラバラです。それを、同じ物差しで測って、並べているだけ。今いちばん大きい子が、三年後もいちばん大きいとは、限らないんですよね。
物語『背番号と請求書』の第二話に、こんな場面があります。子どもたち全員に、同じ計算式で、来月の練習の目標が割り振られる。一人ひとり、体はまるで違うのに。
読んでいて、なんだか、少し切なくなりました。数字にすると、みんな同じ列に並んでしまう。
そして、もうひとつ。子どもって、なかなか「きつい」って言わないんですよね。
言ったら、試合に出られなくなるかも。心配かけたくないし、弱いと思われたくない。だから、聞いても、たいてい「大丈夫」って返してくる。
物語の子も、そうでした。体の奥に痛みを抱えているのに、それを、誰にも言えずにいる。
これ、うちの子は大丈夫かな、って、ふと不安になります。ほんとに大丈夫なのか、それとも、大丈夫って言ってるだけなのか。
だからこそ、なのかもしれません。
数字や順位より先に、顔色を見てあげたい。「膝、痛くない?」「ちゃんと眠れてる?」って、さりげなく聞いてみる。試合の結果より、帰ってきたときの表情のほうが、たぶん、正直です。
比べない、って、すごく難しいですけどね。私も、できてる自信はありません。
でも、心のどこかに「今の数字は、今だけ」って一枚、置いておくだけで、ちょっと肩の力が抜ける気がするんです。
子どもの「大丈夫」を、鵜呑みにしすぎず、でも、信じてあげたい。そのあいだで、うろうろしながら。
お互い、ぼちぼち、見守っていきましょうね。