サッカーをする子の体重、重い?軽い? ―― 成長期の体づくりと、補食の考え方
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執筆:オペラシンフォニー(元大手証券の営業15年/CFP)
ジュニアのピッチには細い子が多い。速さで活躍できるのは、ある年代までです。身長から見た体重の目安(私見)を、公的な物差しと並べながら、成長期の体づくりと補食の考え方をまとめました。
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サッカーをする子の体重、みなさんはどう見ていますか。「うちの子、細すぎないかな」「逆に重くて動きが鈍いかも」。親なら一度は気になるところだと思います。この記事では、私が目安にしている「身長から見た体重」の早見表を出したうえで、学校保健の公的なデータと並べて、成長期の体づくりと補食の考え方をまとめました。最初にお断りしておくと、早見表は研究や観察をもとにした私見です。医学的な基準ではありません。
ジュニアのピッチには、細い子が多い
小学生年代のカップ戦を見ていると、活躍するのは決まって背の高い子か、すばしっこい子です。とくに細くて速い子は、小さいうちはスピードだけで相手を置き去りにできます。
ただ、そこに落とし穴があります。スピードで勝てるうちは、それ以外で勝つ工夫をしなくても済んでしまう。周りの体が大きくなってスピードの差が縮まったとき、判断や駆け引き、体の使い方が育っていないと、急に通用しなくなります。高校年代になると、どんなに上手くても身長やフィジカルがなければ試合に出られない、という場面も増えます。
だから成長期は、「今の勝ち」より「先の体」を考えたい時期です。
小学生のころの体つきや足の速さで、その子の先を決めつけないでいたい、という話は、「今」で、決めつけないでいたいにも書きました。
私の目安は「身長−◯」
私が目安にしているのは、身長(cm)から一定の数を引いた範囲です。
| 年代 | 目安(私見) |
|---|---|
| 小学校高学年 | 身長−103〜107 kg |
| 中学・成長期の前半 | 身長−105〜110 kg |
| 中学・成長期の後半 | 身長−107〜113 kg |
| 高校 | 身長−105〜110 kg |
計算すると、たとえばこうなります。
| 身長 | 目安(私見) |
|---|---|
| 150cm(小学校高学年) | 43〜47 kg |
| 160cm(中学・前半) | 50〜55 kg |
| 170cm(中学・後半) | 57〜63 kg |
| 175cm(高校) | 65〜70 kg |
ポジションや筋肉のつき方で差が出るので、この幅に入っていないとダメ、という話ではありません。「今どのあたりにいるか」をつかむための物差しです。
お子さんの身長・体重を入れて、この目安と全国平均を並べて見たいときは、サッカーをする子の体重の目安で計算できます。
公的な物差しと並べてみる
私見だけでは心もとないので、公的なデータと比べてみます。
文部科学省の学校保健統計(令和6年度)によると、男子の平均はこうです。
| 年齢 | 平均身長 | 平均体重 |
|---|---|---|
| 11歳 | 146.0cm | 39.6kg |
| 12歳 | 154.0cm | 45.3kg |
| 13歳 | 161.1cm | 50.5kg |
| 14歳 | 166.1cm | 55.0kg |
| 15歳 | 168.6cm | 59.0kg |
平均身長は11〜12歳で約8cm、12〜13歳で約7cm伸びていて、このあたりが伸びのいちばん大きい時期だと分かります。出典:文部科学省 令和6年度学校保健統計(確定値)
もう一つの物差しが、学校で肥満ややせの判定に使われる「身長別標準体重」です。性別・年齢ごとの係数を使って「係数a×身長(cm)−係数b」で計算し、そこから何%ずれているか(肥満度)を見ます。肥満度がプラスマイナス20%の範囲なら「普通」です。出典:日本肥満学会 小児肥満症診療ガイドライン2017 付表
この式で、さっきの計算例の標準体重を出すと、こうなります。
| 身長・年齢 | 標準体重 | 私見の目安 |
|---|---|---|
| 150cm・12歳 | 約41.8kg | 43〜47kg |
| 160cm・13歳 | 約49.1kg | 50〜55kg |
| 170cm・14歳 | 約57.7kg | 57〜63kg |
| 175cm・16歳 | 約63.0kg | 65〜70kg |
並べてみると、私の目安は「標準体重から、だいたいその1割増しまで」の範囲に入っています。肥満度でいえば「普通」の中の、少し重めの側です。
「少し重め」でいい理由 ―― スピードのために痩せなくていい
私の目安が標準より少し重めなのは、重くしたいからではありません。スピードのために、無理に痩せる必要はないと考えているからです。
子どもなんだから、いっぱい食べていい。もちろん限度はありますが、食べたい気持ちを抑える必要はありません。成長期の体は、身長を伸ばすのにもたくさんのエネルギーを使います。少しくらい脂肪がついていても、それは伸びるための蓄えだと私は思っています。
漫画に、重いマントを脱ぐと一気に強くなるキャラクターがいますよね。自然に蓄えたエネルギーは、あのマントに近いと思っています。少し重さを背負ったままボールを蹴っておけば、背が伸びてその蓄えが使われたとき、体はふっと軽くなり、それまでの動きがそのまま武器になります。
逆に、無理に重くする必要もありません。食べたくないのに、量を詰め込ませることもない。痩せさせることも、太らせることも、狙ってやるものではないと思います。
小学生や中学生のうちは、深く考えないことがいちばんです。目安の表は、「うちの子、大丈夫かな」と気になったときに眺める程度で十分です。
成長期は、そもそもエネルギーが足りなくなりやすい
「少し重め」を目指す以前に、成長期のスポーツ選手は、エネルギーが足りなくなりやすいことを知っておきたいところです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、12〜14歳の男子が1日に必要なエネルギーの目安は、活動量が多い場合で2,900kcal、15〜17歳では3,150kcalです。10〜11歳でも2,500kcalあります。出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)の要約(建帛社)
毎日練習がある子にとって、3食だけでこの量をとるのは簡単ではありません。日本サッカー協会(JFA)の栄養ガイドラインも、エネルギー不足が慢性化すると、免疫や骨の健康、パフォーマンスにまで影響すると注意しています。出典:JFA栄養ガイドライン
足りない分を埋めるのが、補食です。
補食は「いつ」から考える
補食で何を食べるかは、欧州のクラブの例も含めて補食の育成コラムで詳しく書きました。ここでは、成長期の体づくりという目線で、タイミングと考え方だけを押さえておきます。
JFAの栄養ガイドラインでは、補食のタイミングを次のように示しています。
- 練習の2〜3時間前:炭水化物を中心に(おにぎり、パン、バナナなど)
- 練習が終わってから2時間以内:炭水化物とたんぱく質を組み合わせて(おにぎりと牛乳、肉まん、ヨーグルトとバナナなど)
食べ物の例は、ガイドラインの考え方に沿って私が挙げたものです。
わが家の方針は、お菓子とジュースはなし、ご飯は食べ過ぎでなければ制限しない、です。補食はお菓子で済ませず、おにぎりのような「食事の小さい版」にしています。欧州では、チョコレートミルクのように炭水化物とたんぱく質を一度にとれる飲み物を補食に使うこともあります。家庭ごとの考え方があっていいと思いますが、補食を「おやつ」ではなく「食事の一部」と考えると、選ぶものが自然に変わってきます。
試合や遠征の日に、何時に何を食べるかの段取りは、朝練・試合・遠征の日の食事を、無理なく回すにまとめています。
おにぎりやスープの補食は、この本にまとまっています。
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体重は「点」ではなく「線」で見る
JFAのガイドラインは、毎日体重を測って、食べた量と使った量のバランスを確かめることをすすめています。毎日が難しければ、週に1回など決まったタイミングでもかまいません。成長期は身長も伸びていくので、ある日の数字だけで一喜一憂せず、身長と一緒に記録しておくのがおすすめです。
記録を続けると、「身長は伸びているのに体重が横ばい」「練習がきつい時期に体重が落ちた」といった変化に気づけます。急に体重が減った、何か月も身長や体重が伸びない、といった場合は、早めにかかりつけの小児科に相談してください。
記録を続けやすくするなら、6〜17歳でも使えて、スマホのアプリに記録が残る体重計(体組成計)が便利です。
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体重のことを子どもにどう伝えるか、親の声かけについては、その体重、子どもにどう伝える?に書きました。
まとめ
ジュニアの細い子は、速さで活躍できる時期があります。けれど、その先の年代で通用する体をつくれるのは、今の時期だけです。私見の目安は「標準体重から1割増しまで」。スピードのために痩せさせず、食べたいだけ食べさせて、足りない分は補食で埋める。あとは深く考えすぎず、体重を線で見守ること。今の勝ちより、先の体。成長期の親にできる一手は、そこにあると思っています。
よくある質問
Q. うちの子は目安より軽いです。たくさん食べさせるべきですか?
A. 無理に量を増やすより、補食を足して「食べる回数」を増やすほうが続けやすいです。肥満度で「やせ」に入る場合や、体重が減り続ける場合は、かかりつけの小児科や管理栄養士に相談してください。
Q. 体重を落としたほうが、速く走れるようになりますか?
A. 成長期に意図して体重を減らすのはおすすめしません。エネルギー不足が続くと、骨の健康や体の成長、パフォーマンスに影響するとJFAのガイドラインも注意しています。
Q. 補食はお菓子でもいいですか?
A. 手軽ですが、エネルギーだけで栄養が偏りがちです。おにぎりやパン、バナナ、牛乳、ヨーグルトなど「食事の小さい版」を選ぶと、成長に必要な栄養もとれます。
Q. プロテインは必要ですか?
A. 成長期は、まず毎日の食事と補食でとるのが基本です。食事だけでは難しい事情がある場合は、管理栄養士などの専門家に相談して決めてください。

体重を線で見守るなら、そろえておくと便利なものがあります。
- 体重を記録できる体重計(体組成計):子ども(6〜17歳)でも体脂肪率や筋肉量まで測れて、スマホのアプリに記録が残るものを選ぶと、成長期の変化を追いやすいです。たとえばタニタのBC-768は、6〜17歳で体重・BMI・体脂肪率・筋肉量・推定骨量まで表示されます。タニタ 体組成計 BC-768(楽天市場)
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- 補食のレシピ本:スポーツ選手の栄養指導をしてきた管理栄養士の川端理香さんの本は、スープとおにぎりという補食の定番を、前日に作って朝は温めるだけ、という形で紹介しています。おにぎり以外の引き出しが増えると、毎日の補食が続けやすくなります。強い体を作る!スープとおにぎり(川端理香/楽天ブックス)
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- 大容量の水筒:夏場の練習や遠征では、水分補給の量が足りなくなりがちです。小学生なら1.5L、中学生の夏の練習や遠征なら2.0Lが目安です。大きな氷が入って直飲みでき、飲み口を外して洗えるものが扱いやすいです。サーモス 真空断熱スポーツボトル FJUシリーズ(0.75〜2.0L/楽天市場)
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本記事の体重の目安は、筆者の研究と観察にもとづく私見であり、医学的な基準や診断ではありません。成長には個人差があります。お子さんの体重や食事について気になることがある場合は、医師や管理栄養士にご相談ください。数値は記載時点の公的資料にもとづきます。本サイトはアフィリエイトプログラム(PR)を含みます。